一般社団法人日本ドローン活用推進機構様(以下、JDUI)は、ドローンを活用した研究・開発及び実用化に向けた活動をしています。そのような中、JDUI様がどうして宮城県加美町へサテライトオフィスを進出したのか。
その背景や今後の展望に関して、本部事務局長 伊勢様にお話を伺いました。
インタビュアー
事業内容について教えてください。
伊勢様
JDUIはドローンのビジネスモデルの研究、開発提案、及び実用化に向けた取り組みを行っております。また、ドローン運用に関する法整備への協力やドローン競技大会の開催、ドローンスクールの運営なども担っております。
インタビュアー
ドローンを活用した具体的な取組内容について教えてください。
伊勢様
森林調査や密漁防止及び水産資源保護、鳥獣被害対策から体験型プログラミング学習教室など幅広く取り組んでいます。
現在調整中ですが、町内の公共施設の跡地の利活用として、サテライトオフィス(以下SO)を開設、並びにドローンスクール及びデジタル関係等のドローンに関わる企業の誘致を進めていく予定です。
ドローンにデジタル技術を追加して、3D測量やサーマルカメラ測量などの実証実験にも取り組む予定です。
インタビュアー
加美町との出会いと進出された理由について教えてください。
伊勢様
加美町との出会いは、2022年の1月頃にドローンスクールとドローンを活用したデジタル推進事業に関する企画案を出したことがきっかけです。
そこから加美町との打ち合わせを重ねて、ドローンスクール及びドローンを活用したデジタル技術の普及を本格的に加美町で進めて行くことが決まり「これはJDUIの出番だ、JDUIなら加美町の発展にご協力、貢献できる」と思い進出を決めました。
インタビュアー
実際に進出を決心されてから、進出を果たすまでに苦労されたことはありましたか?
伊勢様
私は元々経理部門の出身でそれまで表にでて企画提案ということをやったことがありませんでした。不慣れということもあり、当初は中々うまくいきませんでした。しかし、試行錯誤を重ねるうちに企画提案をする難しさがいつしか楽しさに変化していきました。加えて、自身のプラス思考な性格と加美町と良い関係を構築できたことも楽しさに変化した要因です。
加美町と良い関係を築けたこともあり、地域に入り込む難しさは特に感じませんでした。
ただ、事業が進むにつれて多岐に渡る企業や個人とかかわることになるので、課題に見合った提案、問題点の抽出など、どうカスタマイズして解決に導くのかといった難しさは出てくるであろうと想定しています。
今までの知識や経験をフル活用して解決に役立たせていきたいと思います。
インタビュアー
加美町に進出してのメリットはどのようなところに感じていますか?
伊勢様
加美町に進出しなければ出会うことができなかったとてもいい人脈に巡り合えました。加美町役場様を筆頭に、あわえ様、ジーアングル様、Tech.st様といった同じ志を持った進出企業各社の他、商工会、教育機関、地元企業等様々な方とも出会うことができました。これは私にとって財産です。進出後には、地元企業様との事業連携にも繋がりました。
インタビュアー
地域外の企業進出は孤立すると聞きますが、そうならずに地域に馴染めた理由は何でしょうか?
伊勢様
加美町役場様が間に入り、関係者と繋いでくれたことが大きく影響しています。実は同じように進出している自治体様があるのですが、加美町での名刺交換をさせていただいた方が圧倒的に多かったのです。さらに、ふと気付いたのが関係の深さでした。加美町で名刺交換した方と、その後も何度もお会いしてお付き合いすることが多いので、名刺を見て顔と名前が一致するんです。地域でビジネスをしていく上で、このサポートは非常に助かります。
インタビュアー
人脈づくりのきっかけと継続に加美町が関わっているのは、進出企業にとっては安心しますね。企業は進出してから継続していくことが重要ですから、加美町のサポートは有り難いですね。
インタビュアー
加美町で事業を進める中で、見えてきた加美町の課題はありますか?
伊勢様
プログラミング教育においては、必修科目となったばかりで、教育現場で何をやるべきか悩み手探り状態な様です。そこで、試しにドローンを使ったプログラミング教育を提案したところ、今後テスト的に実証実験を重ねていくことに繋がりました。
インタビュアー
地域の課題に対してJDUIさんの技術を活用することで解決に繋がりそうな事例ですね。
JDUIさんが進出されたからこそ、見えてきた課題だと思います。
伊勢様
我々の得意とするドローンを活用した新たな取り組みや今までの活動実績における実証実験を地域の課題と掛け合わせながら、こういった事例を増やし、加美町での課題解決のお手伝いをさせて頂ければと思います。
インタビュアー
企業側のチャレンジしたいという熱意に対して、加美町が受け入れてくれたことで地域の課題解決に結びついたのですね。
伊勢様
実証実験を進めるにしても、一社だけで研究開発はできません。そこで先程もお話ししました財産となっている人脈の出番です。我々で補えない部分を進出企業様や地元企業様と連携することによって加美町の抱える課題を解決することに役立てられると考えております。
インタビュアー
新たな連携によるJDUIさんのご活躍を楽しみにしております。進出を検討されている企業に対してメッセージをいただけますでしょうか。
伊勢様
進出しても孤独にはならないということを第一にお伝えしたいです。一緒にサポートしてくれる進出企業様に加えて、素晴らしい人脈にめぐり合わせてくれる加美町役場様のバックアップ体制が整っています。事業を進めていく上で気兼ねなく相談することもできますので、加美町でやりたいことをぶつけてみてください。
インタビュアー
ありがとうございます。今後進出を検討されている企業にとっては、とても心強い体制ですね。そのような体制が整っている加美町でのJDUIさんの今後の方針をお聞かせください。
伊勢様
はい、今後進出される新たな企業様と協働で、加美町の課題を解決するような取り組みを進めていきたいと思っております。もちろん、新たな進出企業様だけではなく、地元企業様とも更なる連携を図り、新規ビジネスの実証も進めていきたいと考えております。既にやってみたいアイディアはありますので、是非ご興味ある方はご一緒に仲間になりませんか?例えば、空き家調査にドローンを絡めた事業や農薬散布量の変化による生育状況変化の実証実験、鳥獣被害対策なども検討している最中です。加美町には広大な田畑がございますので、ドローンでの農薬散布による作業の効率化、省力化も広めていきたいですね。
インタビュアー
お忙しい中、インタビューにご協力頂きありがとうございました。加美町での今後のご活躍を楽しみにしております。